2026.02.02
[脳体力コラム vo.2]
職場に「戻れる」と「働ける」は違う
~再休職を防ぐ新基準「脳体力」マネジメント~
~Webセミナー「復職支援における脳体力の重要性」を聴講して~
昨今、企業におけるメンタルヘルス対策が急務となる中で、休職者のスムーズな職場復帰は組織運営上の大きな課題となっています。
しかし、復職後に「ミスが減らない」「以前のようなパフォーマンスが出ない」といった課題に直面するケースは少なくありません。
株式会社ポルトクオーレの喜田智也先生は、臨床心理学の専門的見地から、この問題の核心は「心の回復」と「脳体力(認知機能)」の回復のズレにあると指摘されています。
「脳体力」とは、記憶力や計画力、注意力など、業務を遂行するために不可欠な5つの認知機能を指します。
特筆すべきは、主治医が判断する「日常生活が可能なレベル」と、企業が求める「業務遂行が可能なレベル」の間には大きな乖離があるという視点です。
このギャップを埋めないままフルタイム勤務を再開させることが、本人の自信喪失や再休職を招くリスクとなっているのです。
セミナーを通じて印象的だったのは、復職を単なる「出社」というゴールで捉えるのではなく、脳の回復曲線に合わせた「慣らし運転」が必要であるという考え方です。
客観的な指標を用いて回復の度合いを可視化し、現場の上司や周囲が「今は脳のリハビリ期間である」という共通認識を持つことが、再発防止の鍵となります。
これからの時代、企業には社員の「心」だけでなく「脳」のコンディションにまで踏み込んだ、より多角的な支援が求められます。
喜田先生が示された知見は、人事担当者が自信を持って復職者を迎え入れ、個々の能力を再び引き出すための重要な指針となるはずです。
